英ポンド/円相場は、140円の節目水準まで軟化する展開に。3月下旬は総じて142~144円のレンジで揉み合う展開になっていたが、その後は主に円サイドからポンド売り・円買い圧力が強まり、3月4日以来の安値を更新している。対米ドルでのポンドの下げは限定されているように、ポンドよりも円サイドの動向が注目されている。
4月4日にはイングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)が開催されるが、今会合では特に政策変更は想定されていない。焦点は、資産買い入れ枠の拡大を主張していたキング総裁、フィッシャー、マイルズ委員に賛同するメンバーが増えるか否かとなるが、そうした議論が本格化するのは議事録が発表された後になる。実際に緩和策強化を支持するメンバーが増えるようであれば、ポンドの上値は圧迫されよう。英景気の減速状態が各種経済指標で確認されるステージが続く中、金融政策スタンスは緩和方向に傾き易くなっている。
一方、円サイドでは本日の日本銀行・金融政策決定会合待ちとなる。既に考えられるオプションは全て報道済みの感が強まる中、これで「当面の円売り材料は出尽くした」と評価されると、ポンド安・円高が更に進むリスクがある。特に、それに英追加緩和見通しが重なると、ポンドの下値が一気に切り下がる可能性もある。基本的には、円安基調そのものが修正を迫られるとは考えていないが、少なくともポンドの本格上昇は想定しづらい状況にある。
今後1週間の予想レンジは、139.0~142.00円。